#24 生地屋さんでこれだけは確認すべき5つのポイント
こんにちは、”美人服”洋裁師の山﨑ゆきこです。着る人を美人に見せる”美人服”を作る洋裁師として、型紙ショップと洋裁サロンを運営しています。
こちらのブログでは、「美人服を作るための洋裁レッスン」として、洋裁に役立つ情報や、簡単レシピをご紹介しています。
私の教室に来てくださるお客様は、初心者の方が多いのですが、教室に来られるまでは、洋裁を始めたいけどどうしよう〜と迷っていらっしゃった方が多いようです。
”洋服作りは敷居が高い!”
”小物は自己流で作れても、洋服作りは難しそう、、、”
確かに洋服作りは、他のホビーと比べると難しいです。道具や材料を揃えるのも大変だし、縫い合わせもテクニックが必要です。
でも、だからこそ面白いんです。奥が深くて、飽きることがありません。
今回は、美人服を作る上でのファーストステップ、生地の選び方をご紹介します。生地選びも、ビギナーの方には結構ハードルのポイントですよね。
たくさん並ぶ生地の中から、どういった基準で生地を選べば良いのか?
押さえておくべきポイントは5つ。色や風合いなどの見た目だけでなく、下記の点も必ずチェックして購入してください。
- 生地幅
- 上下があるか?
- 用尺
- 洗濯できるか?
- 表裏
1. 幅
横の長さ(耳から耳)=生地幅です。
生地幅は大きく分けて、90cm、110cm前後の広幅、140cmのダブル幅の3種類あります。
90cm幅
- 手芸店の生地はほとんど90cm幅。
- 洋服作りには中途半端な幅なので、用尺が多めに必要です。
110cm前後(広幅)
- 110~125cmぐらいが一般的。
- 服地専門店で売られるコットン生地に多い。
- ブラウス、ワンピース向き。
140cm前後(ダブル幅)
- 140~150cmぐらいが一般的
- 服地専門店で売られるウールや化繊に多い。
- ジャケット、コート向き。
2. 上下があるか?
生地の向きに上下方向があるか無いかによって、生地の裁断が違ってきます。型紙を上下逆さに置ける(差し込みできる)生地は、生地の無駄が少ないので、用尺が少なくなります。
上下のある生地は、生地の無駄が多いので、多めに買っておく必要があります。
<上下がある生地>
柄に上下があるもの
- コットンプリント、ジャカード織など
- 柄は上下逆さまに連続しているものはOKです。
毛足の長いもの
- ベルベット、コーデュロイ、カシミヤなど
- 手触りが上→下と下→上で異なります。
- 上からの見え時と下から見た時では、生地の風合いが異なります。
光沢のあるもの
- 化繊など
- 上からの見え方と下からの見え方が違っている場合があります。
3. 用尺
用尺についてはあくまで目安です。同じブラウスでも、衿の有無、袖の長さによって、必要な分量は大きく違ってきます。
- ブラウス
ブラウス丈+袖丈+衿+15cm / 広幅で150~200cmぐらい - ワンピース
ワンピース丈+袖丈+衿+15cm / 広幅で200~250cmぐらい - スカート
(スカート丈+10cm)×2 / 広幅で130~150cmぐらい - ジャケット
ジャケット丈+袖丈+衿+15cm / ダブル幅で150~200cmぐらい
用尺については、こちらのHPで詳しく紹介されています。
4. 洗濯できるか?
洗濯機で洗濯できるかどうかによって、作るアイテムが違ってきます。肌に近いアイテムは、頻繁に洗う必要があるので、洗濯可のものを選びましょう。コートやジャケットのように、1シーズンに数回しかクリーニングしないようなものは、洗濯不可素材で大丈夫です。
<洗濯できるもの>
- コットン、麻など
- ブラウスやワンピース向き
<洗濯できないもの>
- ウール、シルクなど
- ジャケットやコート向き
化繊は様々なタイプがありますので、その都度、生地屋さんで洗濯できるかどうかの確認が必要です。ウールの中には、手洗いできるウォシャブルタイプもあり、秋冬用のシャツなどに便利に使えます。
5. 表裏
生地を買って帰って、裁断する時に困ってしまうのが、表裏がわからない時。生地の買う際には、印を付けてもらったり、中表に折ってもらって、必ず表裏が分かるようにしておきましょう。
<表裏を判断するポイント>
- 耳をじっくり見てみて、綺麗な方が表です。
- 綾織の場合は、右上がりになっているものがほとんどです。右上がりが表、左上がりが裏。
- 生地の光沢や風合いが綺麗な方が表。
まとめ
”自分の洋服を自分で作れたらいいな〜”
と思っている方はとても多いのですが、洋裁を一から始めるのは、敷居の高くて、躊躇される方が多いようです。
道具が揃っていない、家の中に広げる場所がない、難しそう、、、だいたいそんな理由でしょうか。
確かに洋裁は、他のホビーに比べると、道具を揃えるのも大変だし、作業自体も難しいです。
でも、まずは生地屋さんに行って、あまり深く考えずに、気に入った生地を買ってみてください。生地を手にしたら、創作意欲がどんどん湧いてきます。
デザインを考えてから生地を買う方が無駄がないですが、買った生地で作れるデザインを考えるのも楽しいです。
東京近郊にお住まいなら、日暮里繊維街。大阪なら船場あたりが面白いスポットです。何も買わなくても、生地を見ながら思いを巡らすのも楽しいので、ぜひ出かけてみてください。
こちらの記事もご参考に 日暮里繊維街の歩き方